こんにちは。ウミガメ(@umigametool)です。
エアー工具から電動工具へと移っている人を多く見かけます。
エアーと電動ではそれぞれメリットもデメリットもありますが、作業性の面では電動工具の方がメリットが多いですね。
自動車整備の現場でよく使われている電動工具といえばインパクトレンチかと思いますが、次いで使う人が多いのが電動のラチェットではないでしょうか。
電動ラチェットはまだまだサイズが大きいものが多いですが、エアー設備を必要としないのは大きいですね。
本記事ではそんな電動ラチェットからスナップオンのコードレスラチェット「CTR761」を紹介します。
Snap-on(スナップオン):コードレス(電動)ラチェット「CTR761」の基本性能
差込角:3/8SQ(9.5mm)
最大トルク:54Nm
マニュアル(手動)トルク:210Nm
フリースピード(無負荷回転数):275rpm
となっています。
現在(2020年12月)販売されている電動ラチェットの中ではトルク値、回転スピード共にかなり高い水準です。
Snap-on(スナップオン):コードレス(電動)ラチェット「CTR761」の重量・サイズ感
全長
全長は315mm
結構長いですが、最初の1発を楽に緩める事ができます。
インパクト機能が付いていないので手動で緩める事は多々あります。
グリップ部
グリップ部はだ円形になっていて
長辺(縦):44.6mm
短辺(横):52.9mm
と少し太めのグリップになっています。
バッテリーを差し込む部分でもあるのである程度の太さにはなるのかもしれませんが、手の小さい私としてはもう少し細い方が使いやすかった気がします。
ヘッド部外径
ヘッド部の外径は36.5mm
エアラチェと比べると一回り大きいですが、全長300mm程度のスイベルラチェットのヘッドより小さいサイズです。
作業していてもあまり気になる事はないかと思います。
ヘッド部厚み
ヘッド部の厚みは44.8mm
エアラチェと比べると若干厚めですが、そもそも本体のサイズが大きい為狭い所での作業には向いていません。
狭い所での作業はすっぱり諦めた方がいいかもしれませんね。
重量
重量は1140g
本体だけ(バッテリー無し)だと890g
電動工具はどうしても重量が重くなってしまいます。
実際に持ったイメージ
実際に持ったところです。
かなりバッテリー寄りの位置を持っていますが、スイッチが人差し指にくるためこの位置を持つ事になります。
本体の重量や、持つ位置によるバランス的にヘッド側が結構重く感じてしまいます。
持つ位置はもう少しヘッド側(本体中央)の方が持ちやすかったのかもしれませんね。
Snap-on(スナップオン):コードレス(電動)ラチェット「CTR761」のメリット
エアー設備が必要ない
電動工具のメリットとして一番大きいのがエアー設備を必要としない事です。
出張整備や家庭での整備など、エアー設備がない状況で整備を行う場合は電動工具はとても重宝します。
通常の工場でも車内の整備や車の位置等ではエアーホースが届かなかったりホースで車に傷を付ける可能性あるので電動工具が活躍する機会は多いですね。
回転スピードが速い
CTR761のメリットとして挙げられるのが回転スピードです。
現在販売されている他メーカーの電動ラチェットと比べると、回転スピードが速くなっています。
回転スピードはそのまま作業速度に繋がってくるので重要なポイントですね。
バッテリーを兼用できる
スナップオンの電動工具を使用している方ならインパクトレンチやドリル、レシプロソーなどバッテリーを兼用できるモデルが多数あるので便利です。
特に電動インパクトの「CTJ761」は人気も高く使っている人も多いと思いますので、そういった方は本体だけを購入する事で費用を抑える事ができます。
関連記事:【おすすめ工具】Snap-onの電動インパクトレンチ「CTJ761」を紹介【小型・軽量】
Snap-on(スナップオン):コードレス(電動)ラチェット「CTR761」のデメリット
サイズが大きい・重い
他の電動ラチェットにも言える事ですが、基本的に電動ラチェットはボディが大きいです。
私が使用しているエアラチェと比較すると3~4倍程度の大きさがあります。
本体を奥の方に突っ込んで作業する事は多くはありませんが、狭い所での作業というのはどうしても避けられません。
そういった時は使用する工具を見極めて使い分けをする必要がありますね。
あと、実際に使用して感じたのが「結構重い」ということです。
ある程度連続して使用していると、単純な重さが負担になってきます。
個人差はもちろんありますが、私はアンダーカバーの脱着(腕を上げた状態)で8~10本程度ボルトを外したらかなりキツつ感じました。
重いのが嫌な方にはKTCのコードレスラチェットがおすすめです。
サイズ的にもコードレスとしてはかなりコンパクトになっていて、重量も750gとかなり軽量になっています。
コードレスラチェットを選ぶ際の候補としてどうぞ。
インパクト機能無し
インパクト機能付きのものにはいくつかメリットがありますが、主な特徴として
・反動が少ない
・回転スピードが速い
という点があります。
CTR761にはインパクト機能が付いていない為、そういった点には注意が必要です。
反動
ボルトナットの締め終わりに反動があり、逆時計方向に本体が動きます。
本体の長さもあり力を入れていれば抑える事もできますが、ふとした時に引っ張られてしまいます。
その反動のせいで指を挟んだりする事もあるので注意が必要です。
回転スピード
実際CTR761の回転スピードは電動ラチェットとしては早い方です。
しかしインパクト機能付きのエアラチェと比べると半分程度の回転スピードとなってしまいます。
元々インパクト機能付きのエアラチェを使っている方は回転スピードが遅く感じてしまうかもしれませんね。
価格が高い
他のメーカーから販売されている電動ラチェットと比べると価格が高いです。
「スナップオン」というブランドもありますが、価格だけで比べると手が出しづらいです。
ただ、基本性能の項目でも書いたように他メーカーの電動ラチェットと比較しても高い性能を持っているので価格分の価値はあるかと思います。
サンデーメカニックの人などは使用頻度も多くないので手を出しづらいかと思います。
そういう方はアストロプロダクツやストレートから販売されている電動ラチェットでも十分ですので使ってみてください。
Snap-on(スナップオン):電動ラチェット「CTR762」との比較
本記事では「CTR761」について紹介していますが、スナップオンからは「CTR762」というコードレスラチェットも出ています。
各モデルのスペックは
最大トルク | 手動トルク | 無負荷回転数 | |
CTR761 | 54Nm | 210Nm | 275rpm |
CTR762 | 95Nm | 210Nm | 175rpm |
となっています。
CTR761がスピード重視、CTR762がトルク重視となっているようです。
個人的には手動でトルクを掛けられるのでスピード重視のモデルの方がおすすめですね。
また、「CTR761」「CTR762」とほぼ同じ性能で首(ネック)部分が長くなって奥まったところで使いやすくなったロングネックモデルもそれぞれ出ています。(全長約400mm)
ロングネックモデルの品番は
ハイスピードモデル:CTR767
高トルクモデル:CTR768
となっています。
Snap-on(スナップオン):コードレス(電動)ラチェット「CTR761」の使用用途
エンジンルーム
エンジンルームでは電動ラチェットを使用するところが多くあります。
バッテリーの脱着、ホースバンド(ボルトで締めるタイプ)、エンジン関係の部品など、本体のサイズ的に奥まったところでは使いにくいですがそれを考えても使用できるところは多いです。
ブレーキ・足回り関係
強めに締まっている事の多いブレーキや足回り関係の部品。
CTR761なら全長もある程度長くマニュアルトルクも210Nmとかなりトルクをかける事ができるので、一発目を直接緩めてそのまま電動で回すことで時間短縮を図る事ができます。
エアー設備がない場所での使用
電動工具という事でコンプレッサー等のエアー設備を必要としません。
出張整備や家庭での整備など、エアー設備が無い場所では電動工具はとても重宝します。
整備士の方なら仕事で使用しつつ、家で自分の車をいじる時などにとても役立ちますね。
また、エアー設備がある工場などでもホースが届かなかったり、ホースを伸ばす手間を考えたら電動が早い場合などもあります。
自動車の社内での作業だとエアー工具はオイルが出たりする可能性もありますが、電動ならその心配もありません。
状況次第でエアーと電動を使い分けたいですね。
Snap-on(スナップオン):コードレス(電動)ラチェット「CTR761」のレビューまとめ
本記事ではスナップオンの電動ラチェット「CTR761」を紹介しました。
エアラチェを使用して作業しているところの多くは電動ラチェットで行う事ができるかと思います。
エアー設備が無いところでも使用できますし、設備があってもホースの取り回しを気にしなくていいので作業内容や場所によってとても使いやすい工具です。
そもそもホースを伸ばす手間を減らせるので楽ですね。
スナップオンの「CTR761」は全長も長くマニュアルトルクも高いためある程度固く締められているところでも使用しやすくなっています。
その反面、サイズが大きいため対象物の周りの環境によって使えない事もありますし、重量が重いので連続で何本もボルトナットを緩めるような使用には向かないかと思います。
使う場所や環境を選ぶ工具ではありますが、持っていたら間違いなく活躍する工具です。
作業の効率も上がるので持っておきたい工具ですね。