こんにちは、ウミガメ(@umigametool)です。
自動車整備士に関わらず「整備」をやる上でとても大切な工具トルクレンチ。
規定のトルクで締め付けるために必須の工具ですが、定期的な校正(精度合わせ)が必要なことはご存知でしょうか?
普通に使っていても微妙な振動や湿気などにより少しずつ精度が狂ってしまいます。
せっかくトルクレンチで規定値通りに締めたつもりでも、トルクレンチ自体がズレていたら意味がありません。
実は私、10年以上整備士をやっていながらトルクレンチの校正をやったことがありませんでした・・・
工具ブロガーを名乗りながら恥ずかしい・・・(笑)
今私がメインで使用しているトルクレンチがスタビレーの「730/20QUICK」というモデル。
使用後に設定を最小値に戻す必要がなく、とても作業性の良いおすすめのトルクレンチです!
関連記事:【STAHLWILLE】設定戻し不要!とても使いやすいスタビレーのトルクレンチ「730/20QUICK‐JP」を紹介【設定簡単】
今回そのスタビレーのトルクレンチをTMSベースさんに校正をお願いしてみました。
本記事ではその校正の流れと感想を書いていきたいと思います!
TMSベースとは
「TMS」はTorque equipment Maintenance Serviceの略で、トルクツールに特化した高精度な校正・修理サービスを提供しているサービスセンターです。
STAHLWILLE(スタビレー)、Wera(ヴェラ)の両社から認定された技術者が常駐する信頼できる校正機関となっています。
店舗名:TMSベース
販売事業者:喜一工具株式会社
所在地:名古屋市北区大我麻町127
営業時間:9:00~16:00(土日祝休み)
ホームページ:https://www.kiichi.co.jp/tmsbase/
TMSベースでのトルクレンチ校正の流れ
まず簡単に、TMSベースでのトルクレンチの校正の流れについて説明します。
①公式サイトより申し込み
②無料配送キットが届く
③トルクレンチを発送
④TMSベースより最終見積連絡が届く
⑤校正済みのトルクレンチが届く
こんな感じの流れで進みます。
基本的に難しいところは無かったですね。
TMSベースの近くにお住まいの方は持ち込みも大丈夫なようです。
①公式ホームページより申し込み
TMSの公式ホームページに行き、少し下にスクロール。
「校正・配送キットを申し込む」をクリック(タップ)します。
開いたページで必要事項を入力していきます。
・氏名や住所、連絡先などのオーナー情報(トルクレンチの持ち主の情報)
・依頼の内容(校正のみ・部品交換の有無)
・構成を依頼するトルクレンチの情報
・支払い方法(クレジットカードor銀行振込)
こんな感じです。
トルクレンチの品番は覚えていない方もいらっしゃると思うので、メモしておいた方がスムーズに入力できるかも?
記入が終わったら「送信」ボタンを押して申し込み完了です!
②無料配送キットが届く
申し込み後、数日で自宅に配送キットが届きます。
トルクレンチを入れるので少し大きくて長めの段ボールです。
段ボールはトルクレンチの種類や本数に合わせたサイズが届くようです。
一気に数本依頼する場合でも安心ですね。
申し込みのタイミング(時間)や申し込みした人の住んでいる地域でも多少変わりますが、私の場合は3日ほどで届きました。
中身はこんな感じで緩衝材と校正依頼書、発送のための着払い伝票が入っています。
取扱注意のステッカーも入っていましたが、箱にもすでに貼ってあるので使っても使わなくても良さそう。
私はせっかくなので見やすいようにもう一枚貼りました(笑)
③トルクレンチを発送
校正依頼書に記入
校正依頼書の記入は必要な項目を埋めていくだけなので難しいことはありません。
・氏名や住所、連絡先などのオーナー情報(トルクレンチの持ち主の情報)
・依頼の内容(校正のみ・部品交換の有無)
・構成を依頼するトルクレンチの情報
・支払い方法(クレジットカードor銀行振込)
この4項目だけです。
配送キットの申し込みで書いた内容とほとんど同じですね。
依頼内容の「トレサビリティ体系図」は基本的に法人の方向けで個人では不要かと思います。
(校正に使用した標準器が国家基準や国際基準にどのように繋がっているかを示すものみたいです。)
修理希望の項目は修理が必要な場合は見積もりが来るのでその時に考えても問題は無さそうですね。
梱包作業
TMSベースのホームページでは分かりやすいようにトルクレンチを裸のまま入れてありますが、精密機器なので衝撃などの対策はできるだけやっておいた方が良いかと思います。
トルクレンチのケースを持っている方ならケースに入れても良いですし、エアパッキン(プチプチ)等で巻いてもOK。
私はケースを処分してしまっていたのでエアパッキンで巻いて入れました。
配送キットに入っていた緩衝材も、トルクレンチを上下から挟むようにしてできるだけ衝撃対策。
梱包後に箱を振ってみましたが、変に中身が動いている感じもなかったので私と同じくらいやっておけば大丈夫そうです。
気になる方は隙間に家にある緩衝材や新聞紙などをさらに詰めても良いかもしれませんね。
校正依頼書も忘れないように入れておきましょう!
ガムテープ等で封をして、伝票を貼り付ければあとは佐川急便に集荷をお願いするか営業所に持ち込むだけです。
④TMSベースより最終見積連絡が届く・支払い
発送したトルクレンチがTMSベースに届いたら、数日で最終見積が届きます。
ホームページでは5営業日以内に連絡と書いてありましたが、私の場合はかなり早かったです。
火曜日夕方に私が発送、木曜日には連絡が来ました。
見積もりの内容(修理の必要があるか)などによって見積日数なども変わるのかもしれませんね。
私は校正のみで修理が必要なかったのでそのままメールからお支払い画面へ。
追加修理も無かったのでもちろん金額も予定通り。
支払いも他の通販サイト等と変わらず、クレジットカードの番号と名義、セキュリティコードを入力するだけ。
銀行振込の方は忘れないうちに振込に行きましょう。
支払いが終われば到着を待つだけです!
⑤校正済みのトルクレンチが届く
私が発送してから6日。校正済みのトルクレンチが届きました。
トルクレンチは私が送った時のようにエアパッキンで巻いてある状態です。
もちろん校正証明書も同封されており、安心して使う事ができます。
ちなみに測定データはこんな感じ。
私のトルクレンチは40~200Nm対応のものなので
下限の40Nm、上限の200Nm、中央値の120Nmでそれぞれ5回ずつ測定されています。
一番ズレているものでも1.42%のズレ。
実際に数値で見ると安心できますね!
TMSベースでの校正レビューまとめ
修理無しの校正だけということもありますが、発送から手元に帰ってくるまでかなりスピーディに進みました!
一番良かったのが家で全て完結するという事。
ホームページでの申し込みも、発送や支払いも基本的には全て家でできます。
私の場合は集荷が対象地域外との事で佐川の営業所まで持ち込みましたが、営業所近くに用事がある時に行けばいいのであまり苦には感じませんでした。
1週間程度でトルクレンチは返ってきましたが、その期間は使えないので注意が必要です。
私の場合は以前使っていたものを持っていたのでそれを代わりに使えました。
予備が無い方は人に借りたり、できるだけ仕事の休みに被せたりした方が良いかもしれませんね。
記事冒頭でも書いたように、私はトルクレンチを校正したことがありませんでした。
(以前使っていたトルクレンチで、トルクチェックは何度かやったことはあります。)
使っているのがスタビレーという事もあり、大丈夫だろう・・・となんとなく考えていました(笑)
ただ、購入から2年半が経ち、そろそろさすがに校正に出さないとなぁと思っていたので、校正証明書で数値として精度を見れた時は安心感があり良かったですね。
TMSベースでは現在はスタビレーとWeraのトルクレンチのみ校正を行っているようです。
対象のトルクレンチは今後増えていくと思いますが、色々なメーカーが一度に校正できればさらに便利になりそうですね。
皆さんも定期的にトルクレンチの校正をして安心して作業しましょう!